ペンギンの二度寝

アナログレコードをはじめた女。音楽や本、旅の記録

プラタナスの枯葉舞う初冬、レコードは謳う。

一昨日、久々に渋谷のオーディオショールームStylus&Grooveさんのイベントにうかがいました。昨年立ち上げたばかりというフォノカートリッジのブランドPlatanus(プラタナス)の主宰者でデザイナー兼ビルダー、助廣哲也氏を招いてのMCカートリッジ「Platanus 2.0S」の試聴会とのことで、これは面白そうだと思い馳せ参じた次第。

platanus.tokyo

Stylus & Grooveさんの店内は相変わらずセンスが良くて気持ちの良い空間。少人数のアットホームな雰囲気で、コーヒーを頂きながらの試聴会でした。

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フォノカートリッジとは、レコードの音溝から針で音を拾って電気信号に変換するパーツ。カートリッジのクオリティは良い音でレコードを聴くためには超重要です。

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上位モデルのカートリッジはほぼ全てMC(ムービング・コイル)型という高音質なタイプなんだけど、普及機のMM(ムービング・マグネット)型と比べて量産が難しく、熟練工の手作業で一つずつしか作れないもの。

私も仕事柄その作業を知っているけど、職人さんは顕微鏡を覗きながら髪の毛より細いワイヤーを巻き付けたりはんだ付けしたり。ワイヤーを巻き終わったばかりのコイルはほんと小さくて、肉眼だとちょっと大きめの蚊みたいって思ったもんです。この作業が出来る人は日本でも数人しかいないとか!

プラタナスの助廣さんも三十代後半という(オーディオ業界では異例な)若さながらその一人で、エンジニアとしてメーカーで技術を磨き、数年前に独立してオリジナルブランドを立ち上げたとのこと。

ここ数年アナログブームだとは言え、先の見えないオーディオ業界。もの凄い熱意と勇気がなければ独立なんて出来ないよなぁと思ってたけれど、ご本人は気負ったところをまったく感じさせない穏やかな雰囲気の方。カートリッジからはどんな音色が出るんだろう?

試聴は、半年前の記事にも書いた(Zep「Presence」と新しいオーディオ店 @ 渋谷。) イベントでも聴いたレッド・ツェッペリンの7thアルバム「Presence」リイシュー盤の中の「For your life」からスタート。

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ターンテーブルwell temperd、アンプはEAR、スピーカーはHARBETH で、タンテとアンプは前回とモデルが違ったりするけどおおむね同じ傾向の音と考えてよいかも。前回のカートリッジはGRADOだったかな。まあとりあえず音源が同じだと比較しやすいですな。

さてPlatanus 2.0Sの音色やいかに⁇ ご本人の風貌から、爽やかで軽やかな今風な音を勝手に想像しちゃったけれど…私の想像力貧しすぎ!

叩きつけるようなベースやバスドラ、ギター低音弦のソリッド感…このアルバム全体に漂う切迫感や、ゴリっとした70年代の空気感が圧をかけて迫ってきた。特に低音の厚みが凄い。 爽やかとかヌルい想像してスミマセン…。

その後いろいろなジャンルのLPを聴かせて頂きましたが、むやみに低音域が前に出るってわけじゃなくて、それぞれの音源の魅力を上手に引き出していると思う。アンプ等との組み合わせがうまくいってるのもあるかもだけど、現代的で日本的な優等生サウンドじゃなくて、躍動感がありながらもわずかに暗めで色気をはらんだトーンを感じる。

いいわあ〜。半年前にこのお店で購入したウチのスピーカーATC SCM10との相性が良さそう。いやいやMCカートリッジはまだ早いわよ私!高額だしMCトランスも買わなきゃだし、フォノアンプもアップグレードしなきゃだしね…

なんて脳内小競り合いをしつつ、お店に置いてある高音質レコードを物色。今まで買ったレコードとはだいぶ傾向が違うRadiohead(レディオヘッド)の傑作「KID A」に決定。

その場で試聴会のセッティングのまま聴かせてもらったら…うう、たまりません。電子音の重なりと無機的なトム・ヨークのボーカルに、こんなニュアンスがあったとは。

https://www.amazon.co.jp/KID-12-inch-Analog-RADIOHEAD/dp/B01F0XP984/ref=mb_oe_l

翌日、ウチのRegaちゃんに載っけて音量大きめで聴いてみました。うん、良い、良いよ、iPodで聴くのとは段違いよ…だけど昨日のあの深くて微妙なニュアンスは出せてないのよ…

ああもう耳ってほんとに贅沢で困るー。音楽を愛するみなさま、この魅惑的な沼においでませ!

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