ペンギンの二度寝

アナログレコードをはじめた女。音楽や本、旅の記録

新しい出会い。フォルクローレ・ギターと秩父。

う〜、もう半月以上前のことで恐縮です。キッチンで料理をしながらInterFMピーター・バラカンさんの番組を聴いていたら、すごいミュージシャンというかアーティストを知ってしまった。

名前は笹久保伸(ささくぼ しん)、南米のフォルクローレ(アンデス音楽)を中心に演奏するギタリスト。ペルーに4年間留学して、当地のギタリストに弟子入りしたり各地の音楽を採集・研究したりしたそう。

shin-sasakubo.com

ペルーでもCDを発売して高く評価されてるらしい。帰国後は音楽活動のみならず、地元の埼玉県秩父を拠点に写真やアート作品作製に映画監督などなど、多彩な表現活動をしているそうです。

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ラジオで喋るその声は若く(33歳とのこと)、ああ今時の器用でクレバーなミュージシャンな感じかなと勝手に想像し包丁を動かしながら聴き流していたら、最新作CDからの音源とスタジオでの生演奏が。どれもギター一本のインスト曲。え、なにこのかんじ。耳が自然に一音一音を追ってしまう。これはもっと聴きたい!と思ったところ都内でのライブの告知が。よしゃっ。

 

ということでその数日後、代官山のライブハウス 代官山「晴れたら空に豆まいて」、通称晴れ豆に馳せ参じました。
ここは音が良いライブハウスとして有名で、普通PA機器では使われないアコースティック・リヴァイヴ( Acoustic Revive)というオーディオメーカーのケーブルを採用したりと音響さんが相当こだわっているそう。私はオーディオ関係の会社に勤務してるので前から興味があって、いつか聴きに行きたいなーと思っていたから良い機会です。

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良い雰囲気でしょう? ブエノスアイレスの路地裏のバーでワインを一杯…みたいな妄想をしながらも、この日の特別メニュー、秩父名物・豚みそ丼を平らげ、開演前から脳と五感のひとり遊びを堪能です。

そしていよいよ笹久保伸さんが登場、おもむろにギターを弾き始める。ナイロン弦の柔らかい音色がボディに共鳴し、軽やかでいて深い響きが自然に空間に満ちていく…ため息。

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アンデスの音楽というと「コンドルは飛んでいく」しか知らなかったけど、そういう"雄大な山脈、遥かなる空"的なものとは違う響きがあるのね。なんと言うか…これはラジオで聴いた時にも感じたことだけど、もたれかかるような抒情…郷愁や旅情などの甘やかな感情を煽る成分は少ないのに、一音一音の響きの中に紛れもない"悲しみ"が含まれている気がする。涙にならない根源的な悲しみ、なのかな。

彼のオリジナル曲にも同じトーンが感じられる。これは伝統なのか彼の個性なのか。

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ラジオでも生演奏した「三つのワイノ」という曲では笛みたいな音が聴こえる。弦を擦ってる? それでなくても早くて超テクニカルな運指なので、どこからその音が出てるのかさっぱり分かりません。ペルーのアヤクーチョ地方の伝統的な曲をそのまま弾いてるらしいんだけど、番組の中でピーター・バラカンさんが「そのあたりにはこんなギターの達人が沢山いるの⁉︎」と驚いていたのが、目の前で見たらよーく分かりました。

↓違う曲だけど。

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それにしてもこのハコの音、素晴らしいですね。最初の一音から「これがPA通した音⁉︎」とびっくり。スピーカーから音が出てるのに生音みたいに自然。こんなに繊細な音作りをするライブハウスはなかなかないでしょうね。ここでこの音楽を聴けることに心の中で感謝!


そしてとても気になっていた、秩父武甲山のお話。古くから信仰の対象であった石灰岩で出来た武甲山が、セメント採掘のために数十年来、毎日爆破され続けていると。環境問題のみならず、土地の歴史と信仰、産業などいろいろな観点から考え、アートという手法で表現しているそうです。

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 私は歴史や民俗学が好きなこともあって、ご本人のみならず秩父にも興味が出てきた。いやー、こんなスケールのでかいアーティストが現代の日本にもいたんですね!

すでにたくさんのCDを出されているから、少しずつ買っていこう♪